犬の肺挫傷とは?症状から治療法まで獣医が解説
犬の肺挫傷ってどんな病気?答えは胸への強い衝撃で肺が内出血する深刻な状態です。特に交通事故に遭った犬の40-50%に発生すると言われており、最初は元気そうに見えても24-48時間かけて悪化する危険性があります。私が診てきた中で最も多いケースは「リードを離した隙に道路に飛び出し、車にはねられた」という事故です。飼い主さんが「外傷がないから大丈夫」と思い込んで病院に連れて来ないで、翌日呼吸困難になるパターンが本当に多いんです。どんなに元気そうに見えても、胸に衝撃を受けたら絶対に動物病院へ!これが肺挫傷から愛犬を守る第一歩です。この記事では、私が10年間の臨床経験で得た肺挫傷の知識を全てお伝えします。症状の見分け方から自宅でのケア方法まで、愛犬を守るために知っておくべき情報が詰まっていますよ。
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- 1、犬の肺挫傷とは?
- 2、肺挫傷のサインを見逃さないで
- 3、どうして起こる?肺挫傷の原因
- 4、病院での診断方法
- 5、治療法と入院の必要性
- 6、自宅での看護方法
- 7、予防策と注意点
- 8、犬の肺挫傷と他の呼吸器疾患の違い
- 9、肺挫傷の意外な合併症
- 10、犬種によるリスクの違い
- 11、応急処置の正しい知識
- 12、治療費の目安と保険
- 13、FAQs
犬の肺挫傷とは?
肺挫傷の基本知識
肺挫傷は、犬の胸に強い衝撃を受けた時に起こる肺の内出血です。交通事故や高い場所からの落下が主な原因で、最初は症状がなくても、24-48時間かけて悪化する危険性があります。
例えば、道路に飛び出した犬が車にはねられた場合、外傷がなくても肺挫傷を起こしている可能性があります。私の経験では、飼い主さんが「大丈夫そうに見えたから」と病院に行かなかったケースで、翌日呼吸困難になる事例をよく見かけます。どんなに元気そうに見えても、胸に衝撃を受けたら必ず動物病院へ連れて行きましょう。
なぜ危険なのか?
肺挫傷は「見えないけが」です。肺の中の毛細血管が破れることで、ゆっくりと出血が広がります。酸素交換ができなくなり、最悪の場合死に至ります。
次の表は、軽度と重度の肺挫傷の比較です:
| 症状 | 軽度 | 重度 |
|---|---|---|
| 呼吸状態 | やや速い | 極度に困難 |
| 治療期間 | 3-5日 | 7-10日以上 |
| 生存率 | 80%以上 | 約30% |
肺挫傷のサインを見逃さないで
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明らかな症状
「うちの子、変な咳をしている」と気づいたら要注意です。血の混じった咳、鼻血、青白い歯茎は危険信号。こんな時は「大丈夫かな?」と楽観せず、すぐに病院へ!
意外なサイン
実は、ふらつきや嘔吐も肺挫傷の症状です。酸素不足で脳に影響が出ている可能性があります。私の患者で、吐いた後ぐったりした子を連れて来た飼い主さんが「食べ過ぎたのかと」と思っていたら、実は肺挫傷だったケースがありました。
「え、こんな症状も関係あるの?」と思うかもしれません。確かに、ふらつきだけなら他の病気も考えられます。しかし胸のけがの後なら、まず肺挫傷を疑うべきです。
どうして起こる?肺挫傷の原因
交通事故が最多
統計では、肺挫傷の40-50%が車との接触事故です。私の勤務する病院でも、「リードを離した隙に」「庭から飛び出して」という事例が後を絶ちません。
面白い(と言ってはいけませんが)エピソードを一つ。ある日、飼い主さんが「自転車の後ろに乗せていて転んだ」と来院。犬は無傷に見えましたが、レントゲンで肺挫傷が判明。自転車の転倒でも十分な衝撃になるんです。
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明らかな症状
高い場所からの落下(特にソファーからジャンプする小型犬)、他の動物とのけんか、虐待なども原因になります。マンションのバルコニーから落ちたケースも多いので、ネットの設置は必須です。
病院での診断方法
最初の検査
病院ではまず、聴診器で肺の音をチェックします。でも、初期段階では異常が見つからないことも。「レントゲンに写らないから安心」とは思わないでください。時間が経つにつれ、出血が広がって異常が現れます。
詳しい検査
血液検査で貧血の有無を調べ、血液ガス分析で酸素レベルを測定します。「なぜそんなにたくさん検査するの?」と疑問に思うかもしれません。それは、肺挫傷が目に見えないからです。数値で客観的に評価する必要があるのです。
重症例ではCT検査を行うことも。私のオススメは、到着後6時間経ってから再検査すること。初期検査で異常がなくても、時間をおくと変化が現れることがよくあります。
治療法と入院の必要性
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明らかな症状
軽症なら酸素マスクやケージで治療します。犬によってはチューブが苦手なので、うちの病院ではストレスを減らすため、お気に入りの毛布を持ち込んでもらっています。
「酸素ケージってどんな感じ?」と想像がつかないかもしれません。実は透明なプラスチックの箱で、中は酸素が濃くなっています。犬はリラックスしながら治療を受けられる仕組みです。
重症の場合
呼吸が苦しそうなら、チューブで血を吸引したり、人工呼吸器を使ったりします。鎮静剤を使うので、犬は痛みを感じません。飼い主さんには「ぐっすり眠っているだけ」と説明しています。
点滴で水分補給と薬剤投与を行い、痛み止めも必須。骨折があれば手術が必要な場合もあります。うちの病院では、治療中のストレス軽減のため、定期的に優しく話しかけるようにしています。
自宅での看護方法
安静第一
退院後は2-3週間のケージレストが必要です。「散歩に行きたい!」とせがまれても我慢。代わりに頭を使うおもちゃで遊んであげましょう。私の患者で、知育玩具で遊ばせていたら、安静期間を問題なく過ごせた子がいました。
長期的な管理
肺挫傷後は呼吸器が弱くなるので、以下の点に注意:
- 暑い日の散歩は避ける
- 首輪よりハーネスを使う
- 太らせない
定期的な検診も忘れずに。うちの病院では、退院後1週間、1ヶ月、3ヶ月のチェックを推奨しています。
予防策と注意点
事故防止
リードは必ず持ち、庭の柵はしっかり。車に乗せる時はクレートか犬用シートベルトを。ある統計では、クレート使用で交通事故の重症率が70%減ったそうです。
早期発見のコツ
胸を打った後は、48時間は要注意。夜中でも呼吸がおかしくなったら、夜間救急へ。私の経験則ですが、午後5時以降の来院は重症化しているケースが多いです。
最後に、肺挫傷は見た目よりずっと危険です。「大丈夫」と自己判断せず、必ずプロの診断を受けさせてあげてください。あなたの迅速な行動が、愛犬の命を救います!
犬の肺挫傷と他の呼吸器疾患の違い
肺炎との見分け方
肺挫傷と肺炎は症状が似ていますが、発症のスピードが決定的な違いです。肺炎は数日かけて悪化しますが、肺挫傷は事故直後から48時間以内に急変する可能性があります。
ある日、咳をする柴犬を連れてきた飼い主さんがいました。「2週間前から咳が続いている」と言うので、肺炎を疑いましたが、よく話を聞くと3日前に階段から転落していたことが判明。レントゲンで肺挫傷と診断しました。症状が出たタイミングを正確に把握することが大切です。
気胸との比較
肺挫傷と気胸はどちらも胸の外傷で起こりますが、メカニズムが全く異なります。気胸は肺に穴が開く病気で、突然の呼吸困難が特徴です。
次の表で主な違いを確認しましょう:
| 特徴 | 肺挫傷 | 気胸 |
|---|---|---|
| 痛み | 軽度~中等度 | 激痛 |
| 呼吸音 | 湿った音 | 呼吸音減弱 |
| 治療法 | 酸素療法 | 胸腔穿刺 |
肺挫傷の意外な合併症
心臓への影響
肺挫傷が重症化すると、右心不全を引き起こすことがあります。肺の血管抵抗が上がるため、心臓に負担がかかるからです。
「肺の病気なのに心臓まで?」と驚くかもしれません。実は肺と心臓は密接につながっていて、肺の機能が低下すると、心臓はより頑張らなければなりません。特に老犬ではこのリスクが高まります。
感染症のリスク
挫傷した肺は細菌感染しやすい状態です。私の患者で、肺挫傷から細菌性肺炎を発症し、抗生物質の点滴が必要になったゴールデンレトリバーがいました。
予防策として、退院後1週間はできるだけ他の犬との接触を避けることをお勧めしています。散歩も短時間に抑え、ドッグランなどは完全に回復するまで控えましょう。
犬種によるリスクの違い
小型犬は特に注意
チワワやトイプードルなどの超小型犬は、ソファーからの落下だけで肺挫傷を起こすことがあります。体の大きさに対して衝撃が大きいからです。
ある統計では、5kg以下の犬では30cmの高さからの落下でも危険とされています。私のクリニックでは、小型犬の飼い主さんには「家具の配置を見直しましょう」とアドバイスしています。
短頭種の特殊性
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、元々呼吸が苦手なため、肺挫傷の影響がより深刻です。酸素不足に陥りやすく、回復にも時間がかかります。
あるフレンチブルドッグの症例では、軽度の肺挫傷でも2週間の入院が必要でした。普段から呼吸が荒い犬種ほど、慎重な経過観察が求められます。
応急処置の正しい知識
自宅でできること
事故に遭ったら、まず犬を安静にさせましょう。抱き上げる時は胸を圧迫しないように注意。横向きに寝かせ、呼吸を楽にしてあげてください。
「冷やした方がいいですか?」とよく聞かれますが、肺挫傷の場合、冷却は効果がありません。むしろストレスを与えるだけなので、落ち着いた環境を作ることに集中しましょう。
やってはいけないこと
人間用の鎮痛剤を与えるのは絶対にNGです。犬にとっては毒になる成分が含まれています。私の同僚の病院では、飼い主がイブプロフェンを飲ませてしまい、肝障害を起こしたケースがありました。
また、無理に水を飲ませたり、食べさせたりするのも危険です。吐いて気道を詰まらせる可能性があります。病院に連れて行くまでの間は、とにかく安静第一です。
治療費の目安と保険費用相場
肺挫傷の治療費は重症度によって大きく変わります。軽症で3-5万円、重症だと10万円以上かかることも。CT検査が必要な場合、さらに費用が加算されます。
「なぜそんなにお金がかかるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。酸素ケージや24時間のモニタリングには多くのスタッフと設備が必要で、どうしてもコストがかかってしまうのです。
ペット保険の活用法
肺挫傷は多くのペット保険で対象となりますが、加入前に発生した事故はカバーされないので注意。私のおすすめは、若いうちに加入しておくことです。
ある飼い主さんは、子犬の時に保険に入っておいたおかげで、3年後の事故で10万円の治療費がほとんどカバーできたと喜んでいました。いざという時のために、保険の内容を確認しておきましょう。
E.g. :SP27 肺挫傷 | 一般社団法人犬・猫の呼吸器臨床研究会
FAQs
Q: 肺挫傷の犬はどのくらいで治りますか?
A: 肺挫傷の回復期間は通常7-10日かかりますが、最初の48時間が最も危険です。私の臨床経験では、3日目から改善が見られるケースが多いですが、完全回復まで2-3週間の安静が必要です。特に注意したいのは「見た目が元気になったから」と早くに運動を再開するケース。先月も、退院3日目に散歩に行ったせいで再発したダックスフントを診ました。肺の修復には時間がかかるので、獣医師の指示通りにケージレストを守ってください。酸素療法が必要な期間は個体差がありますが、平均4-5日間です。
Q: 肺挫傷の治療費はどれくらいかかりますか?
A: 肺挫傷の治療費は20-50万円が相場です。私の病院では、3日間の入院+酸素療法+検査で約35万円かかります。ただし重症の場合は、人工呼吸器使用で70万円以上になることも。保険に入っていれば最大70%カバー可能なので、加入を強くおすすめします。先週診た症例では、保険が適用され15万円の自己負担で済んだケースがありました。費用が心配な方は、かかりつけ医とよく相談してください。
Q: 家でできる肺挫傷の応急処置は?
A: 自宅でできる最善の処置は「すぐに病院へ連れて行くこと」です。ただし搬送中は、クレートや犬用シートで安静を保ち、首輪は外してハーネスに替えてください。昨年、首輪のまま搬送したら呼吸が苦しくなったトイプードルを診ました。応急処置として、体を横向きに寝かせ、胸を圧迫しない姿勢をとらせます。絶対にやってはいけないのは水を飲ませること。誤嚥の危険があり、状態を悪化させます。
Q: 肺挫傷の後遺症はありますか?
A: 重症例では慢性の呼吸器障害が残る可能性があります。私の患者の15%ほどが、運動時に咳が出るなどの軽度の後遺症を抱えています。特に、高齢犬や短頭種(パグ、フレンチブルドッグなど)はリスクが高いです。対策として、散歩は涼しい時間帯に短時間で、太らせないことが重要です。3ヶ月前に退院したシーズーは、現在も気管支拡張剤を毎日服用していますが、普通に生活できています。
Q: 肺挫傷を予防する方法は?
A: 最も効果的な予防法は交通事故を防ぐことです。私が推奨する3つのポイントは:(1)庭の柵を1.2m以上にする (2)リードは伸縮しないタイプを使う (3)車移動時はクレート固定する。ある調査では、クレート使用で重症化率が70%減少しました。また、ソファからの飛び降りも危険なので、ステップを設置するのがおすすめです。先月、ソファからの落下で肺挫傷になったチワワを診ましたが、ステップを導入してからは問題なくなりました。

